用紙の厚さ・重さについて基礎知識を学ぼう

用紙の厚さ・重さについて基礎知識を学ぼう

印刷を発注する際は、紙の種類だけでなく厚さも選ばなくてはいけません。用紙の種類は決まっても、厚さについては、重さの単位を見ても中々イメージしづらいものです。ここでは代表的な用紙の厚さ(重さ)について解説したいと思います。

紙の厚さの表示はなぜ「kg」キログラムなのか?

紙の厚みなのに単位が「kg」なのは、原紙を1,000枚重ねた時の重さで表すからです。つまり、紙厚が90kgの場合、原紙1,000枚重ねた時の重さ=90kgの厚みを持った紙ということになります。「原紙」とは、仕上がり寸法に裁つ前の元々のサイズの紙のことです。

紙の厚さ

印刷用紙の厚さは主に「坪量」と「連量」で表示されます。

坪量(つぼりょう)とは

坪量(つぼりょう)とは、用紙重量の表し方で1m²当たりの用紙の重さのことです。1m×1mに切った紙の重さを量ったときのグラム数となります。単位はg/m²(グラム平米)で表示します。米坪(べいつぼ)、メートル坪量と呼ぶこともあります。

連量(れんりょう)とは

連量とは、前述したように原紙を1,000枚(板紙の場合は100枚)重ね合わせた時の重さのことです。単位はkg(キログラム)で表示します。一定の寸法の紙を1,000枚重ね合わせた時の重さ=「1連」と呼びます。

※上記の表は、コート紙・マットコート紙・上質紙の重量を表しています。

仕上がりサイズと紙のサイズ

印刷する紙には、さまざまなサイズがあります。そのため、製作物に適したサイズを知っておくことが肝心です。ここでは、紙のサイズについて解説いたします。

A判(Aばん)、B判(Bばん)

広く一般的に知られているA規格、B規格のサイズです。もっとも汎用的に使用されているA4サイズ(210mm×297mm)、B5サイズ(182mm×257mm)などがあります。印刷データを制作する際などにも、この数値を覚えておくとデザイン制作作業がスムーズになります。サイズについてはサイズ表も参照してください。

四六判(しろくばん)

明治時代にイギリスから輸入されたイギリスの紙の規格である「クラウン判」が元となっています。平版印刷などで使用される原紙サイズの中で、最も一般的なのが四六判です。
四六判の原紙寸法は縦788mm、横1091mmです。出版物によく使用される「4寸×6寸」サイズが取りやすかったため四六判と呼ばれるようになりました。

菊判(きくばん)

新聞用紙に使用する目的で、日本がアメリカから輸入した紙のサイズです。菊判の寸法は縦が939mm、横が636mmです。
「菊判」という名前の由来については、輸入紙の商標にダリアの花が使用されており、菊の花に似ていたことによるといわれています。
菊判は単行本によく使用されるB6やA5などのサイズより一回り大きいサイズのため、書店で目につきやすいという理由から 現在でも書籍などに菊判が利用されることが多くあります。

実際の紙の厚さ

実際の紙の厚さを、一般紙として多用されるアート紙、コート紙、マット紙、上質紙の4種で表にしてみました。

アート紙・コート紙マット紙上質紙
四六判 135kg0.130mm0.190mm0.195mm
四六判 110kg0.105mm0.145mm0.160mm
四六判 90kg0.090mm0.115mm0.130mm
四六判 73kg0.080mm
四六判 70kg0.090mm0.100mm
四六判 68kg0.070mm
四六判 63kg0.060mm
四六判 55kg0.080mm

紙の重さの数値が増えると紙が厚くなるということになります。
紙の厚さは表を見ると分かるように、同じ斤量でも紙の種類が違うと厚さは変わってきます。

紙の厚さごとの特徴・用途

紙の厚さごとの特徴や用途をまとめました。ご注文する際の目安にしてください。

連量
(コート紙、マット紙、上質紙)
厚さの目安特徴・用途
55kg0.08mm
折込チラシ
一般的なコピー用紙より少し薄い用紙です。
ページ数の多い冊子の本文用紙などに良く使われます。
70kg
73kg
中厚口
0.08mm〜0.10mm
コピー用紙
一般的なコピー用紙とほぼ同じ厚さです。
新聞折込やポスティングのチラシ、冊子の本文用紙などに良く使われる薄めの用紙です。
90kg
厚口
0.09mm〜0.13mm
チラシ、ポスター
チラシやフライヤー、カタログなどの冊子の本文用紙に良く使われます。
一般的な折込チラシより少し厚いので、しっかりとしたチラシを作りたい場合にお勧めです。
105kg
110kg
特厚口
0.10mm〜0.16mm
チケット、パンフレット
ある程度の厚みがあり、パンフレットやポスター、会社案内、商品カタログの本文用紙に良く使われます。
130kg
135kg
0.13mm〜0.19mm
カタログ、パンフレット
しっかりした厚みがあり、パンフレットやポスター、会社案内、CDジャケット、商品カタログの本文用紙などに使用されます。
150kg
180kg
0.21mm〜0.26mm
はがき、名刺
官製はがきとほぼ同じ厚さです。ポストカードやDM、名刺、ショップカードなどにお勧めです。
220kg0.25mm
厚めのポストカード
かなりしっかりとした厚みとコシがあります。
ポストカードやDM、厚めの名刺、メンバーズカードにお勧めです。

紙が厚い場合の注意点

インキの乾きが悪い場合が多くなります。また、折をする場合、事前にスジを入れないと背割れが発生することがあります。

紙が薄い場合の注意点

ベタの多い印刷は、裏に透けて見える場合があります。また、紙インキ量が多いとラッピングやブロッキングなどの印刷エラーが発生しやすくなります。極端に薄い用紙の場合は、用紙のセット・通しが困難となってしまいます。加工作業については、用紙が薄い場合は折や製本など難しい場合もあります。

まとめ

用紙選びは、印刷物の仕上がりを左右するもの

デザインももちろんそうですが、紙の選び方によっては、クオリティの差が出てしまうこともあります。用紙によって、重厚感や高級感を演出したり、簡単に手にとってもらう気軽さもアピールできる要素とも言えます。今回の記事が用紙選びの参考になってもらえると嬉しく思います。

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